宍道湖しじみ漁師のプライド3か条
1御縁– GOEN –
私たちは、「宍道湖しじみ」に
関わる全ての人々の
ご縁を大切にします。
2感謝– GRATITUDE –
私たちは、しじみを生み出す
美しい宍道湖に感謝し、
次の世代に繋げる活動をします。
3信頼– TRUST –
私たちは、良質で美味しい
「宍道湖しじみ」を提供します。
宍道湖でのしじみ漁業について
宍道湖周辺5地区、合計約700名の漁師が宍道湖漁業協同組合に所属しています。そのうち、しじみ漁を生業にしている漁師は、20代前半から80代までの約270 名。しじみ漁は漁業生産量、金額ともに9割を超える宍道湖の代表的な漁業です。
一方で私たちしじみ漁師は、宍道湖の豊かな恵みを後世に残していくための活動も行っています。一日の採捕量や操業時間、休漁日を定めた操業規則を遵守するのはもちろん、保全活動も定期的に実施。
こうした活動の成果もあり、2020年には漁獲量3,880tと、宍道湖は日本一のしじみ産地となりました。
栄養豊富な宍道湖しじみは、生食や加工食品として、近年ではサプリメントとして、島根はもとより、全国の皆様に愛されています。
しじみ漁の操業規則と取組み
私たちは、島根県が全国へ誇る宍道湖しじみの安定した漁獲を守るために、さまざまな操業規程を設けています。
一つ、毎週水曜日、土曜日、日曜日は資源保護のための休漁日とする。
二つ、一日の採捕量は専用箱 2杯(約90㎏)までとする。
三つ、日の出時間や夏季の暑さ対策のため、安全操業時間を遵守する。
操業時間 |
機械掻き
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このほかに、宍道湖一斉清掃事業や水産多面的機能発揮対策事業、グリーンワーカー事業への参加。さらに各地区での湖底清掃作業、水草除去作業など、宍道湖の環境保全や生態系維持事業にも積極的に取り組んでいます。
私たち宍道湖のしじみ漁師は、この宍道湖としじみを守り、次の世代につなぐため、環境の保全に努め、操業規程を遵守して日々安全操業に励んでいます。
宍道湖のしじみ漁について
機械掻き(動力操業)
ディーゼル機関船に30~40 ㎏ある大型の「ジョレン」をロープで結び、 船の動力で「ジョレン」を引いてシジミを採ります。 機械操業では、「ジョレン」を引いている時は舵やスロットルは足を使い操船します。 「ジョレン」から伝わる湖底の感覚、風の向きなどを見極め足先を器用に使い船をコントロ ールして、広い範囲を効率よく操業できるため、現在の宍道湖で最も多く使われている漁法 です。
手掻き
手掻き・入り掻き・水流式手掻きは人力操業のため、機械操業のものより小型の14 ㎏前後のジョレンを使用します。手掻き操業は、漁場まで移動した後は船の動力は使わず、潮の流れや風の力を利用して船を 流しながら同時に人力でジョレンを引き寄せてシジミを採る昔からの漁法です。主に松江市周辺(宍道湖東部地域)沿岸の浅い所や川で操業します。
入り掻き
ウエットスーツを着て宍道湖に入り、「ジョレン」を腰に装着したベルトに繋ぎ、後進しながらシジミを採る漁法です。水の中で歩きながら作業をするため、大変体力を使います。主に宍道湖沿岸や川の深浅い場所で作業を行います。
水流式手掻き
手掻きと同じく人力で「ジョレン」を引く漁法ですが、エンジンポンプと「ジョレン」の先のノズルまでをホースで繋ぎ、ノズルから水を勢いよく出し、湖底を耕しながらシジミを採ることで土質環境も良くします。
鋤簾(じょれん)
ツメの付いたカゴに竿の付いた道具を「ジョレン」と言います。カゴ部分はステンレスや鉄製で、手搔き用は機械掻きのものより小さく、平均的なもので高さ200 mm、幅500 mm、奥行400 mmのカゴに、8mのグラスファイバー製の竿が付いています。カゴ部分の目の間隔は11 mm以上と規定されていて、総重量は14kg前後。カゴ部分の先端のツメは、しじみ漁師それぞれの経験により、長さや角度が工夫されています。水流のノズルは手掻きのジョレンのカゴ部分に装着します。
鋤簾(じょれん)-機械掻き-
「機械搔き」は、動力操業とも呼ばれ、漁船の動力を使用するため、ジョレンも堅固な造りになっています。
カゴ部分は手掻き同様にステンレスや鉄製。高さ350mm以下、幅600mm以下、奥行600mm以下、カゴ部分の目の間隔は11mm以上と規定され、グラスファイバー製の竿は太く、もっとも太い部分でφ60mmもあります。また、竿の長さは7.5m~8.0mで総重量は30kgを超えます。
選別機
漁獲したしじみを規格の大きさに振り分ける機械。
目幅10mm、12mm、14mm、16mmのフルイからなり、それぞれのフルイの長さは、45cm以上と規定されています。
10~12mm未満がS、12~14mm未満がM、14~16 mm未満がL、16 mm以上が2Lサイズとして出荷されます。10 mm以下の小さなしじみは宍道湖に放流し、貝が大きくなるまで待ちます。
手選別
選別機で出荷サイズに分けたら、次に貝の外観は「目」で、中身の有る無しはコンクリートに転がした時の「音」で判断し、不良品は取り除きます。
中身が詰まったしじみは「カチン、カチン」と高い音がしますが、殻の一部が欠けたものや、中身が空のしじみは「カポ、カポ」と軽い音がします。
以前に比べれば機械化され、作業効率が上がったとはいえ、現在に至るまで最後はしじみ漁師が耳と目、手を使ってひと手間、ひと手間かけて選別を行います。手間の掛かる大変な作業ですが、品質を確保するための最も重要で、かつ大切なひと手間なんです。