宍道湖のシジミ漁のルールについて
Date : 2024.08.14先日、ジョレンの目幅についての報道がありました。
(https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/619971)。
今回は、宍道湖のシジミ漁のルールについてお話します。
現在の規制では、漁獲量の上限が約90キロ、操業時間が午前中3時間(手掻き4時間)、休漁日が水・土・日の3日間と定められています。
宍道湖でのシジミ漁の規制は昭和48年から始まりました。
漁獲量の上限は、それまで無制限でした。昭和48年から500キロとなりました。その後も昭和50年~63年にかけて強化され、平成元年には80キロ、平成4年から100キロ、平成9年に150キロ、平成20年から現在の約90キロとなっています。
操業時間は、昭和48年より、日没前1時間までと決められました。昭和53年から、春から秋(4/20~10/31)は午前中までとなり、昭和59年より、年間を通じて午前中となりました。平成元年より、操業時間が現在の午前中3時間(手掻き4時間)となっています。
休漁日は、昭和57年より、第一・第三土曜日となりました。昭和60年に毎週の土日となり、紆余曲折ありますが、昭和63年に水・土・日の休漁となっています。平成23年~25年にかけて、シジミの生息量が大きく減少した際は、操業日を1日減らし、火・水・土・日を休漁として、シジミの回復を待った時期もありました。
ジョレンの目合は平成元年に11ミリ以上に拡大し、シジミ漁の禁漁区は昭和51年から設定されています。
シジミ漁の先輩方は、シジミ漁を末永く続けていくために、宍道湖のシジミ漁のルールを決めてこられました。その時代は、宍道湖の淡水化計画が進行する時代とも重なります。淡水化されればヤマトシジミそのものが無くなってしまう中、漁師の意見をまとめ、将来のためにルールを決めていかれた姿勢に深く尊敬します。
これらの歴史については、高橋・森脇 2009 によって詳細に報告されています。
(https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030781743.pdf)
興味のある方はご覧いただけると幸いです。